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第39回 旭ビ教養講座
2020.05.07 Thursday 14:09

新型コロナウイルス〜3年かからないで収束 

前回(38)に「コロナ対策〜弊社の方針」をFBにアップさせていただきましたところ、7,000人を超える方が見てくださり、531人の方がいいね!をしてくださいました。誠にありがとうございました。
 私はその文章の最後に「今回のパンディミックはきっと3年より短いでしょう。100年前と比較し、呼吸不全を凌ぐレスピレーターがあり、そしてバイオテクノロジーの技術は飛躍的に進歩しており、きっと新薬、ワクチンが開発されるでしょう。」と書いたのですが、「“この100年で医学は進歩したから3年はかからないだろう”という論法はわかるが、もっと知りたい、もっと展望を知って安心したい」という声も聞かれました。
 老兵が現場に戻りまた闘うのもいいかと本気で考えたこともありましたが(呼吸器の管理くらいまだできると思っています)、私にしかできないこと、つまり皆様にこの先の展望を語り希望を持っていただき、この非常事態宣言を乗り切り、そしてその後しばらく続くであろうソーシャル・ディスタンスに気をつけながらの生活を送る時のお役にたててれば、と思い続編を書くことにしました。
 まずその前に、なぜ今は農業資材卸売業の私がこのようなお話しができるかを説明した方がいいかもしれません。私は6年前までは消化器外科医で、肝胆膵を専門とし30年程やってきました。その中で、1996年から2年間、米国Yale大学の客員研究員としてCell Biologyに接する機会を与えて下さったのは当時東大での基礎研究に興味を持ってくださった同大学教授のFred Gorelick先生です。Yaleでの2年間はCell Biologyが今の会社の農業コンサルティングに役立つだけでなく、私が人と取り組む姿勢を作ってくれました。私はノーベル生理学・医学賞の2000年受賞者のPaul Greengard博士、1974年受賞者のGeorge Palade博士の一番弟子James Jamieson博士を始め沢山の知識人と接することが出来ました(私の東大での研究はお2人の研究(J Cell Biol.34:577,1967.)を参考にしたものです)2年間、Yaleの知識人と研究をしたり、家族ぐるみのお付き合いをさせていただく機会を得たのですが、彼らは私達家族が理解できないとわかると、本当に“分かりやすく、丁寧に”説明してくださいました。「説明してわかってもらえると私も嬉しい!!」とおっしゃってくださいました。そこで今回は、私の私見と専門家の友人達からの助言に基づいて、新型コロナウイルス感染症の今後の展望について“分かりやすく”お話しさせていただこうと思います。
 まず、1918年のパンディミック(スペイン風邪)3年で収束しましたが、なぜそれより早く収束させることが出来るのかをまず「新薬」の面から見ていきたいと思います。「100年前と比較し、呼吸不全を凌ぐレスピレーターがあり」と書きましたが、まず“患者さんが生きている”ことが重要で、新薬が出来ても患者さんが亡くなってしまっていれば臨床試験 (治験)が出来きません。呼吸器は生存率を上げるだけでなく、新薬の開発に大きく貢献していると思います。
 次に、RNA(ribonucleic acid)ウイルスである新コロナウイルスの根本的治療法は「逆転写酵素を阻害する」ことを上回る治療法は現在はないと言っていいと思います。ウイルスが細胞内に入らないようにする薬等もありますが、ウイルスはそのうち細胞に侵入できるよう変異してしまうでしょう。
 ウイルス感染症の治療は非常に面倒です。細菌もとても小さいですが(マイクロ・メーター=ミクロンのオーダー/11000分の1)、“生き物”ですから“殺すこと”ことは抗生物質等を適正に使用すればそう難しいことではありません。
 ウイルスは更にずっと小さいだけでなく(ナノ・メーターのオーダー/細菌の世界の更に1000分の1)RNADNA(deoxyribonucleic acid)という核酸、すなわち“物質”なのです。つまり、ウイルスは“生き物”でないので“殺すこと”ができないのです。この“物質”はターゲットの細胞中に入り込むと、核の近くにあるリボソームに結合し “自分に都合の良い蛋白質”を作り始めます。
 実際の細胞の画像で見てみますと、これはラット膵腺房細胞ですが、細胞の大きさ、核(N nuclear)の大きさ等は細菌と同じオーダーです。右の写真は位相差顕微鏡の明視野像ですが、横棒の長さがが1ミクロンです。核は大体5ミクロンくらいです。左の写真は透過型電子顕微鏡写真ですが(Jimから頂きました)、左上の方に核の一部分が見えます。糸くずみたいな異物はRNAでなく、彼らが実験で使った“析出した銀粒子が連なったもの”です。RNAはこの倍率の電子顕微鏡でも点のようにしか映りません。RNAがいかに小さい物質であるかお分かりになっていただければ幸いです。
 では、こんな小さいRNAをどうやって止めるか。ターゲットの細胞内に侵入したウイルスも数が増えなければ、“自分に都合の良い蛋白質”を十分に作りだせません。1本鎖RNAウイルスが増殖するためには、まずは2本鎖DNAにならなければなりません(「第27 旭ビ教養講座」)。その行為を“逆転写”といい、それを媒介する酵素を逆転写酵素と呼びます。つまり、逆転写酵素を阻害するとRNADNAになることができず、RNAウイルスは増殖できません。
 現在、逆転写酵素阻害剤は、エイズの治療薬のアジドチミジン(AZT)B型肝炎治療薬のラミブジン、アデフォビル、エンテカビル、C型肝炎治療薬のラミブジン(通常インターフェロンと最近はソホスブビルとも併用するようです)等がありますが、それぞれのウイルスの逆転写を阻害します。RNAウイルスである新型コロナウイルスの逆転写酵素阻害剤は理論的に製造可能です。
 ただ、新薬として認められるには第1相から第3相までの治験をクリアしなくてはならず、第1相が一番大変です。つまり、安全性の確認(急性:白血球減少、肝・腎機能障害等、慢性:発がん性、催奇形性等)なので時間がかかるのです。ですから、“すでに認可された”すなわち安全性が確認されている薬を色々と試しています。新型コロナウイルスの“特効薬”は確実に作られると思います。
 次に、前回のパンディミックよりなぜ早く収束するのかを「ワクチン」の面から見てみます。「集団免疫herd effect, social immunity」とは、ある感染症に対して集団の大部分が免疫を持っている際に生じる間接的な保護効果で、(免疫を獲得した人が発症しない、というだけでなく)“免疫を持たない人を守る手段”です。多数の人々が免疫を持っている集団では感染の連鎖が断ち切られ、病気の拡大は収まるか緩やかなものとなります。その免疫を得るには、感染症から回復するかワクチンを接種するしかありません。人口の何割が“感染”すれば、集団免疫を獲得できるのかは感染症によって異なり、はしかや風疹は95%で、新型コロナウイルスの場合でも7〜8割は必要と言われています。
 前者の「コロナ感染から回復させ免疫を持たせよう」ということを行っている国もあり、スウェーデンはロックダウンをせずに国民に普通の生活をさせています。これができるのは医療体制に「余力がある(同国公衆衛生局の当局者による)」からで、大都市東京でやってしまうと「医療崩壊」になってしまいます。
 100年前にはワクチン接種は行われず収束までに3年かかりました。別な言い方をすると、ワクチンなしで「集団免疫」を獲得するまでに3年要した訳ですが、今回は最近ヒトに対する危険性の低い新型コロナウイルスの変異株が発見され、英国、ロシア、アメリカ、中国等でほぼ同時にワクチン開発が始まり、その適用は年内と期待されています。
 私は“退役軍人”ですが、医療現場で闘っている先生方、スタッフの皆様、毎日有難うございます。応援しています。
 皆様も“希望を持って”自粛という闘いを続けましょう。いつか皆様とお会いできます時を楽しみにしています(因みに、1995年の映画「アウトブレイクOutbreak」はアフリカから持ち込まれた致死性ウイルスに立ち向かう人々を描いたものですが、その中で主演のダスティン・ホフマンが「この血清はYale大学からだ」というのを聞いて「発音は“エール”でなく“イェール”なんだ」と初めて認識したように思います)


Category : コロナ | Author : tmek | - | - |